2011年5月27日金曜日

ボランティア

外へ出て庭仕事と思えど雨模様
部屋の片付けに専念 
部屋の隅で見つけた段ボール箱
何かな?と開けてみると
子ども文庫の記録が・・・・・
初めて文庫を開いたいきさつから
始まって 開いたその日その日の
記録が書かれたノートが・・・
懐かしいと 片付けを後回しにし
て 読み始めました 当時のことが彷彿として甦ってきます
そのある日のこと こんな事が書かれてありました
ボランティア 今でこそ 何かがあればボランティアに 参加する方も増えましたが この日の記録は ボランティアのことが記されていました
少し長い文章ですが 読んでみてください 
79・6・15 
梅雨空の蒸し暑い午後のこと 汗が肌にじ〜っとにじみ出てきて この上なく不快指数の高い中で 昼間パートに出ているある主婦に出会った 年の頃は 私よりやや若いかなと思われれ
こざっぱりとした服装で 嫌みな感じは少しもない人に見受けられた
「あなた文庫しているんですってね」「ええ」「無料で?読み聞かせもしているの?」「ええ そうですが・・・・」「子どもからお金取っていないの?」「もらっていませんけれど」「一円も?」「一円もいただいていないわ」「じゃあ ボランティアね」「・・・・・・」
「本 買ってらっしゃるのでしょう どうしてるの?」「少し仕事をしているから何とかなるの」「ええっ・・・なに仕事をしているの?主婦業一本で暇な方だと思っていたわ」「これで結構忙しいのよ」「だけどお金持ちね だからボランティアが出来るのね」まだ話しは続いた
無性に哀しかった 情けなかった 
一瞬 汗ではなく 一筋の涙が心の奥底を流れていった
涙は相手に見せず 笑顔で対応した だが もうこれ以上 話しをしている勇気はなかった
本当に目から涙がこぼれてくるような気がして・・・・・
一体 ボランティアとは何だろう
1,義勇兵 2,自ら進んで事業に参加する人
辞書(広辞苑)に説明されている 自ら進んで・・・・と 
ボランティアで 貴重な時間を割いて子ども相手に 文庫を開いているんだろうか
物好きな趣味なのか?
地域の子どもを相手にすることがボランティアなの 「お金持ちね〜」で 片付けられては なんと哀しく寂しいことか 
世間の皆さんや一般の人たち 多くの主婦達は 同じように思っているのだろうか?否 思われているのか そうだとすれば何と貧しい世の中なんだろう 貧しい 貧しすぎる 決して立派ではない普通の私が そう思う
決してボランティアではないのよ 否ボランティアには違いないが 子どもの文化を少しでも高めたいの これからの日本を担う将来性のある子ら為に 少しでも情緒豊かに 人間として健やかに あくまで人間らしく育ってほしいと それに私自身の人間としての証の為に 私の学びの場でもある だけど しがない私の思い上がりなのだろうか
一体何のために 文庫を始めてしまったのだろう 少しの暇があって ボランティア精神があって お金のゆとりがあって・・・・始めてしまったのだろうか いや 違う お金などありはしない お金は天下の回りもの 何とかなるじゃない あれとこれと節約したら 一冊の本が 手許に入るじゃない 時間だって 一日 48時間も50時間も欲しいけれど やりくりすれば生まれいずるもの 大切な時間だから大事に使いたい
 今日 文庫を開けなかったら 自分のためにっすごせると思った日もある 又文庫運営は 自分のためになると思った日もあるけれど 子ども達の顔を見ていたら自己満足のためだけではない・・・・・いいの いいの どうにかなる私のことは だから いつでもいらっしゃいと 戸を開けて待っている 
けれど子どもは どうにかなるではすまされないのよ やりくりする問題ではないの〜と 叫びたい
本の世界を知らないで 成長する子どもも数多くいるであろう それはそれで その子の人生があって いきかたがある しかし 本の楽しさを知った子らにも 又別の豊かさがあると・・・・思う
肉体的に疲労が重なって 自分自身を持て余してうんざりしている中で 一人の女性 一人の母親との会話 それは取るに足らない会話に過ぎないかも知れない だけど私の心を激しく揺さぶり 揺さぶられて涙粒を落とす でも泣いてなんかいられない
夕餉の買い物をして 我が子にたっぷりの栄養を与えなくては 人がなんと言おうと 一歩踏み出してしまった今 前に進むしかないんだ
そう思うと鬱陶しい梅雨空も何のその 買い物して 家に帰って 花に水をやり そして夕餉の支度 僅かな時間を自分のために 家族のために使う
私は忙しいんだ 忙しいんだ 急がなくちゃあ  「じゃあ またね」
足は自然と急ぎ足になる 今にも涙が落ちそうな空だけど
ボランティアは お金持ちが お金のゆとりのある人がすることとは違うと 声を大にして叫びたい
長い文章 読んでくださってありがとう その日の思いの丈を書き綴ったのでしょう
今読むとおかしいかも知れません 今から32年前の話です
書かれた日は文庫を開いた日ではありませんでしたが 文庫のことに関わることでしたから 一気に書いたのでしょう 遠い昔です 若い日々でした

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