2012年6月27日水曜日

姫りんご讃歌

梅雨の時期には珍しい風が吹く
どこからきた風なの
何処の町を 村を 山を通り
抜けてきたの それとも広い
海の上を渡ってきたの
気持ちのよい風が吹く 
夕日があちら側に旅立つと
ひんやりとした冷たい風に
衣変えして・・・
昨秋 真っ赤に実っていた
いつもの通りにある林檎の木
小鳥がついばむこともなく
たわわに実っていた小さな
赤い実 姫林檎
姫と呼ぶにふさわしく 
色鮮やかに 冷たい北風が
吹きすさび 木の葉が舞い
降りても 林檎はぶらぶら
揺られていた
いつのまにか その実もいずこ
かに去りゆき 裸の木が手持ち
ぶさたに立ちすくむだけ
時は流れ 季節は巡りゆき
いつのまにか立ちん坊の木にも
話し相手が生まれ 葉が覆い茂
り 賑やかに会話が生まれゆく
そんなおり 突然 花嫁の到来
で 華やぎをまし 全てが一体となって 舞い踊る
ああ〜 今が一番華やかな時とばかりに 宴のさんざめきが響き渡る
いっときの宴の舞いが 終わってみれば 名残りに青い実が・・・・
今年もたわわに実る 青い実 青リンゴ やがて時が移り変わり
透明な秋風が吹く頃に ほんのりと 乙女の恥じらいを見せはじめる
時が来る
ああ〜 自然の営みのすごさ その摂理・・・・・
梅雨 酷暑 それらを乗り越えて 再び逢いまみえる時を
赤い頬がほころび 稔りの秋を迎える
豊潤な時がやがて来る 赤い実の季節が
ひめりんごと謳われて

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