2012年9月19日水曜日

夕映え


高きところに登り眺めた空
山々の高き処ではなく 都会の
ビルの谷間から眺めた空
やがて夜の帳が降りなんとする
薄暮 遙か下に見える地上では
まさに薄暮 太陽の光すら最早
なく 暮れなずむ空気だけが
漂う すでに遙か彼方の山は 
とっぷりと暮れゆき 山脈の
稜線を 微かに柔らかい曲線
で描き出している
けれどそびえ立つビルは 燃え残る陽の
光を浴びて なんて柔らかく暖かくしか
も優しさを醸し なんとも言いがたい郷
愁をそそり その美しさに思わずカメラ
を向け・・・・・
太陽は 残り火を燃やす陽はいずこに
ビルの影に隠れて何処にも 姿はなく
唯 ただ都会のビルを茜色に染めている
美しい 
茜色に染まった空や雲は 茜空 茜雲と
呼ばれるが  茜色に染まったビルはな
んと呼ぶのか 
こんな歌が万葉集にあります
「茜さす日の昏れ行けば術をなみ千重に嘆きて恋ひつづぞをる」
茜さすは 日 昼 照る 君 紫などにかかる言葉と習いましたが
この歌の意味はともかくも この高いビルから眺めて夕暮れの空を
ビル街を見やって 夕映えという言葉が 心に沸き立ちました
夕映え 夕日の光を受け まわりの物が美しく輝いて見えることを言
うと物の本に書かれています まさに夕映え 美しいと思いませんか
暮れゆく都会の空 こんな光景を見ることはなかなかままになりませ
んが ふと上がったビルの15階から見た光模様
ゴミゴミした都会の雑踏の中では味わうことが難しい 薄汚れた空気
ほこり 排気ガス 騒音 全て煩わしさが消え ひかる残り陽の輝き
目も 心も洗われた面もちでした
ビル街を離れたら きっともっと美しい夕焼けだったかも
雨風が去った後の透明感が もたらしてくれた贈り物だった
のでしょう
一日 出掛けたものの 予定の事が達せられず残念でしたのに 
その心をねぎらうが如く 神様が 送り届けてくれたプレゼント 
恵みに感謝して

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